ADAPユーザー事例発表会2023 開催報告

御礼

先日はご多用の中、弊社「ADAPユーザー事例発表会2023」にご参加賜り厚く御礼申し上げます。
本年は、過去最大の約170名のお申込みを頂きました。
 
基調講演では、「日本のSCMの現状と問題点」と題して東京工業大学名誉教授 圓川隆夫先生にご講演いただきました。
日本のSCMの問題点は何か、日本の製造業を取り巻く「今=ここ」文化の実態とは、「顧客価値創造のIT投資」と「効率化のIT投資」の差には何があるのか。
長年のSCM分野の研究に裏打ちされた圓川先生のご講演は、日本の製造業における現状と目指すべき姿について、洞察を深めることができる大変貴重な機会となりました。

ADAPユーザー発表は、新旭電子工業山梨様による「見える化で渋滞を解消 ~小規模IT部門の挑戦~」と題してのご発表でした。
IT専門ではないご担当者様がシステム導入までに踏まれたステップ、システム選定を通しての気付きや学び、運用開始に至るまでの工夫等についても詳しくお話いただきました。
生産管理の課題についての共感と、システム導入の成功事例として大いに参考になったとの声が、多くの参加者様から寄せられました。

ご講演のあとは、会場参加者同士のご交流の場として懇親会を行い、共通の生産管理の悩みに対する意見交換で盛り上がりました。

2023年も無事にADAPユーザー事例発表会を開催できたこと、重ねて御礼と感謝を申し上げます。 

当日の会場の様子

↓圓川先生の基調講演

↓新旭電子工業山梨様のユーザー事例発表

↓懇親会(構造計画研究所新館)

開催概要

【開催日程・プログラム】
2023年11月10日(金)
14:00~14:15 ご挨拶
14:15~15:15 基調講演 圓川隆夫様「日本のSCMの現状と問題点」
15:15~15:30 <<休憩>>
15:30~15:50 ADAPからのお知らせ
15:50~16:40 ADAPユーザー事例発表 新旭電子工業山梨様 「見える化で渋滞を解消 ~小規模IT部門の挑戦~」

【内容詳細】
〇基調講演
東京工業大学名誉教授 圓川隆夫 様 
題名:日本のSCMの現状と問題点
 
-概要-
SCMの変遷を、1990年代の製版の情報共有ビジネスモデルから、最新のGardnerによるSupply Chain Top 25のベストプラクティスまでを概観し、(工業化社会の"ものづくり"からのイノベーションのジレンマ?とも言える)日本企業の遅れを確認する。その上で筆者らが運用してきた企業のSCMパフィーマンスを測定したSCMスコアカード(LSCおよびGSC)の結果を用いて、具体的な日本企業の弱点とその背景に日本独特の"今=ここ"文化が作用していることを示す。同時にROAを最大化するSCM実践パターン(顧客価値創造型SCM)について示唆する。
 
-講師紹介-
東京工業大学名誉教授
1988年東京工業大学教授。社会理工学研究科長、イノベーションマネジメント研究科長を歴任。2016年職業能力開発総合大学校長就任。日本品質管理学会会長。経営工学関連学会協議会(FMES)会長等を歴任。専門は、SCM、品質管理、生産管理。政府関係では輸出入関連やグローバルSCMの可視化のための財務省、国交省等で審議会委員や多くの委員会、懇談会の座長等を歴任。理論と実践をモットーに、SCMの簡易ベンチマークツールとしてのLSCやGSCを開発して国際的な企業分析を展開。2010年度デミング賞本賞、2013年紫綬褒章、2023年瑞宝中綬章など受賞。著者に『オーションズ・マネジメントの基礎』(朝倉書店)、『我が国文化と品質』(日本規格協会)、『戦略的SCM』(日科技連出版)、『現代オペレーションズ・マネジメント』(朝倉書店) 他。
 
〇ユーザー発表
-発表者紹介-
新旭電子工業山梨株式会社 様
題名:見える化で渋滞を解消 ~小規模IT部門の挑戦~
 
-概要-
メイン製品のビルドアップ配線板はモノの流れが複雑なため生産計画策定が難しく、仕掛品の渋滞が常態化していた。数年来スケジューラ導入の議論はあったが、自社生産方式に合う計画システムが無く、問題は解決しないまま。しかしいよいよ「生産システムの刷新が必要」という会社方針が決定。システム部門は小規模でIT人材も乏しいという条件の下、「スモールスタート」で着実に取組み、限られたリソースでシステム導入が実現した。
 
-講師紹介-
新旭電子工業山梨株式会社は、甲府盆地の西部で、美しい自然の風景に抱かれた風光明媚な南アルプス市に誕生し、エレクトロニクス製品のキーデバイスであるプリント配線板の製造を通じて、社会に貢献している創造企業です。当社の多層/ビルドアッププリント配線板は、ドリル/レーザと銅めっきによる高い接続信頼性、優れた表面処理技術による実装信頼性が特徴です。ビルドアップ多層配線板だけでなく、両面・多層プリント配線板までを取り扱う総合基板メーカーとして、国内外の幅広い業種のユーザー様に製品を供給しています。