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■バリューチェーンとは

バリューチェーンとは、原材料の調達から、商品の製造、出荷、販売を経て、お客様まで商品が届くまでの活動を、価値の連鎖としてとらえる考え方です。
バリューチェーン(Value Chain)を日本語訳すると、価値連鎖になります。

もともとは、経済学者のマイケル・ポーターが、1985年の著書「競争優位の戦略」の中で、最初に提唱した、価値活動の考え方です。

バリューチェーンの活動は、製造から販売までのモノの流れに準じた「主活動」と、主活動を支える活動「支援活動」に分けられます。

[主活動]

・購買物流
・製造
・販売・マーケティング
・サービス

[支援活動]

・インフラストラクチャー(全般管理)
・人材資源管理
・技術開発
・調達


主活動、支援活動の各プロセスで、価値(バリュー)を付加することにより、利益(マージン)を生み出します。
主活動の効率を上げたり、競合他社との差別化を図ることで、競争優位性が保たれるとされています。
「バリューチェーン」は英語で:Value Chain

■バリューチェーン分析とは

バリューチェーン分析とは、自社のバリューチェーンを分析することにより、自社のどこに強みがあり、どこに弱みがあるのかを把握することです。
強みと弱みを把握することにより、自社がどの活動で価値を生み出しているかを知ることができます。
強みを強化し、弱みを改善することで、競合他社に対する競合優位性を保つことができるようになります。

ステップ1

自社のバリューチェーンを把握する

自社の企業活動における、主活動と支援活動は、どのような内容を行なっているのかを把握します。

ステップ2

各バリューチェーンのコストを把握する

主活動と支援活動において、どのようなコストがかかっているのかを把握します。

ステップ3

各バリューチェーンの強みと弱みを把握する

各バリューチェーンにおける、自社の強み・弱み、併せて競合他社の強み・弱みをリストアップし、自社の競争優勢がどこにあるのかを浮き彫りにします。

ステップ4

VRIO分析を行う

VRIO(ヴェリオ)とは、価値(Value)、希少性(Rareness)、模倣可能性(Imitability)組織(Organization)の頭文字をとった名前です。
自社の経営資源を4つのポイントで分析を行います。

1.価値(Value)

経営資源に価値があるか

2.希少性(Rareness)

経営資源に希少性はあるか

3.模倣可能性(Imitability)

自社の強みはマネされにくいか

4.組織(Organization)

強みを最大限に活かす組織作りができているか


バリューチェーン分析は、自社の活動に関する分析ですが、社内だけで行うのではなく、外側から見た第三者の意見も聞き入れながら行うことで、より実情に合った分析を行うことができます。

■バリューチェーンとサプライチェーン

バリューチェーンとサプライチェーンは、どちらも一連の流れを表していますが、バリューチェーンは価値という見えないもののつながりを表すのに対し、サプライチェーンは製品という見えるもののつながりを表しています。

バリューチェーンは、企業が生み出す価値の連鎖です。販売、製造、物流といった主活動と、人材資源管理、インフラ整備、技術開発といった支援活動が、利益を生み出す連鎖を表します。
サプライチェーンは、製品が作られるまでの、モノの連鎖です。調達、製造、販売、物流といった製品が作られて、消費者の手に渡るまでの一連の流れを表します。

サプライチェーンは、製品が消費者に渡るまでに関わる工程のつながりなので、複数の企業にまたがっている場合も多くありますが、バリューチェーンは、企業が価値を付加して利益を生み出す流れを表すので、企業内部でのつながりを指します。

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